
やっと繁忙期も抜けて落ち着いてきたので、このブログを更新する時間を作れる余裕が出てきたよ。まず最初に伝えたいのが、私は繁忙期が大嫌いだ。それもめちゃくちゃ嫌いだ。
それは単に忙しすぎるからなどという安易な理由ではない。暇よりは忙しい方がやり甲斐もあるし、時間が経つのも早いからね。
では何故、私が繁忙期が大嫌いなのかをお話ししよう。
繁忙期中はロボットでもできる仕事になる
つまり、めちゃくちゃ忙しい繁忙期での販売員の仕事っていうのはぶっちゃけ誰でもできる。機械的にいかに多くのお客さんを捌くかが重要になる。
それに大きなブランドになると、お客さんの目的も明確になるんだ。多くのブランドでは「顔」となる定番アイテムがある。例えばだが、ヴィトンであればモノグラムの財布・バッグのようにね。
だからお客さんも「モノグラムの◯◯ください。」って感じでダイレクトにやってくるんだ。それも毎日毎日同じようにね。
極論だが、繁忙期はお客さんに言われるがまま希望の商品を持っていくだけ。商品の説明やアフターケアの説明も延々とお客さんが変わるたびに同じことを言い続けるんだ。

見方を変えれば、単純作業をこなしてさえいればOKなので楽っちゃ楽なのかもしれない。しかし私は、そんなロボットでもできるような仕事はしたくないんだ。

気がついたら販売員みんなロボットになってるなんて未来も想像できるだろ?ユニクロなどのファストファッションでは無人レジも導入されているし、近い将来、コスト削減のためにショッピングに行ってもロボットしかいない。なんてことも大いにあり得るんだよ。
会社としてはコストも削減できて良いことづくめかもしれないが、長年アパレル販売員を続けている身としてはそれはすごく寂しいし、その事態は避けたい。
接客スキルでのマイナス面が大きい
もちろん、短時間で多くのお客さんの対応ができるっていうのは立派なスキルだが、私が働くラグジュアリーブランドでこの現象が起きるってもはや異常だと思うんだ。
本来、ラグジュアリーとは「趣向品」を意味し、金持ちの趣味のようなものだったんだ。優雅にショッピングし「誰が買うんだこんな高額で奇抜なデザインのシャツを!」ってのをサラッと買ってサラッときこなしている感じだった。
しかし今では海外からも多くのお客さんが流れ込んできているし、国内でも若いのに全身ブランド品で固めている人も今では珍しくもなんともないだろ?
一人のお客さんに対して、じっくり接客し、高額な商品を納得して購入してもらうのが醍醐味であったのに、ポンっと買っていく若者が増えている。そしてその中にはマナーがなってない若者も多い。
※一部のお客様です
そうなってくると、私が望む接客ができない。繁忙期中は「あれをください」「はいどうぞ」というロボットでもできる流れになってしまうんだ。
はっきり言って、忙しくて店内も賑わい活気があっていいのかもしれないが、売上げのために時間だけを浪費し肝心の「接客スキル」をまるで磨くことができない。
繁忙期中に学べることもたくさんあるが、ふと「今ロボットだな」と自分自身で感じてしまった瞬間に「こんなことをしている場合ではない」と感じてしまうことがあるので、私が繁忙期が嫌いなんだ。
誰でもできる仕事をしたい訳ではないがチャンスでもある
どういうことかと言うと、多くのお客さんい追われるということは、多くの方を接客するということだ。鋭い人は気づいているだろうが「ポテンシャルの高いお客さん」を見つけるチャンスでもあるんだ。
ポテンシャルが高いというのは
- 高額品をポンっと買ってくれる
- 欲しいものにお金は厭わない
- とにかくあなたと話が合う
要はあなたの顧客になってくれそうなお客さんを見つけるチャンスが閑散期に比べて抜群に多いんだ。私はロボットになりそうだと自分で気が付いたら意識的にこの事を思い返すようにしている。
ここで、ただただ忙しいからと「ロボット化」してしまうと本当に誰でもできる販売員に成り下がってしまうからね。そうならないために意識的に「チャンス」だと思うようにしているし、実際に繁忙期から私の顧客になってくれたお客様だっている。
繁忙期でも閑散期でも常にアンテナを張ってチャンスを探すんだ。
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まとめ
とはいえ、あまりに忙しいと「チャンス」を忘れてロボットになってしまう自分もいる訳なので、まだまだ修行不足だと感じる。
私はゆっくり丁寧にお客さんを対応することができない繁忙期のピーク時は大嫌いだが、それだけ売上げが立つ時期でもあるので嬉しい悲鳴というものだろう。
人気ブランドの繁忙期は本当に大変だが、終わった後の達成感は計り知れないし、得るものも多い。良いところがあれば悪いところもある。
私は繁忙期は嫌いだが、アパレル販売員という仕事は好きだからね。しんどい時もチャンスを忘れない姿勢は常に持っておきたいと思うよ。